カテゴリー「04.マスタリング・テクニック」の記事

mastering/マスタリング講座・INDEX 

2016/12 当ブログを移転いたしました。
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■はじめに

■マスタリングの考え方

■マスタリングとは何か?

■マスタリングを誤解しているかも?

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「マスタリング」を誤解しているかも?

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あなたは「マスタリング」を誤解しているかも知れません。
前回の記事 マスタリングとは何か?の補足記事になります。

一般的に音楽の マスタリング とはwikipediaを引用すると

音楽CD、DVD-AUDIO等の音楽メディアの場合はミキシング(ミックスダウン)して作られたマスターテープから、曲順の決定や、フェードイン・フェードアウトなどのクロスフェード作業、最終的な曲のレベルや音質、音圧調整、曲間の編集等[2]を経て、CDカッティング用マスターテープ(現在はプリマスターCD-RDisc Description Protocolファイル)をつくる作業を指し、通常、マスタリングスタジオで行われる。音楽メディアにおけるプリマスタリングは、楽曲やアルバム全体の最終的な印象を決める重要な作業である。

となります。

現在日本での音楽メディアの主流はCDなのですが このCDは工業製品であり 決められた規格内のマスターを作成する必要があるのですが
その作業をマスタリングと呼んでいます。
もちろん音質の調整や音量の調整を行いますが
調整 であって 変更や加工 ではありません。

「マスタリング=音圧をあげて迫力を出す」 というイメージを持っている方が多いと思いますが
実はそうではありません。

そうではない というよりは そういった音を変えて音圧を稼ぐためにマスタリングは行われていません。
メジャー流通のものに限れば 特にそうです。

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では マスタリングって何してるの? 

という質問にはこれがいちばん参考になるだろう というものを紹介します。

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普段聞く市販のCDの音はマスタリング後の音であり、マスタリング前と後で音を聞き比べることは出来ません。

マスタリング業界の超ベテラン田中さんの仕事がここでダウンロードできます。
是非マスタリング前とマスタリング後を聞き比べて欲しいのですが

この時にマスタリング前後のファイルの音量をそろえて聞いてみて下さい。

結論から言うと
「あれ?思ったほど音が変わってないな・・・」と感じるはずです。

そうです 調整とは音のトリートメント、研磨仕上げのような作業ですのでがらっと印象が変わる類のものではないという事がわかります。

もうひとつ 

Goh Hotoda氏のマスタリング観についても こちらで記事がありますのであわせて読んでみて下さい。

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  • では 何故マスタリング=音圧をあげて音を派手にする というようなイメージが広まっているのでしょうか?

googleで「マスタリング」と検索すれば848,000以上のサイトがヒットします。
広告には1曲1,000円からという文字が並びます。

こういう安いマスタリング、又はアマチュア、インディーズユースのマスタリングというのはアレンジも録音もミックスダウンも一流のプロ(又はそれに近い人材)が関わる事が少なく、簡単に言ってしまえばミックスダウンまでの仕上がりがプロレベルじゃない場合が多いはずです。

こういった安い(又はプロレベルではない)マスタリングを利用する 客、クライアントが
あまりよろしくない状態のミックスダウン音源を

「メジャーレーベル音源のような音圧や音質にしてくれ」

という注文をするために過度な マキシマイザー、それに伴う倍音付加、マルチバンドコンプレッサーによる音質変更などなど・・ プラグインを8つも9つも使ってこねくりまわす という事態が発生し

結果 マスタリング=音圧をあげて音を派手にする というイメージがまん延したと推測できます。

(私個人の勝手な解釈も入っていますので 全てのサービスが安い=良くない というわけではないかも知れませんが・・・)

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  • マスタリングに何かを期待せずにミックスダウンまでに全力を尽くそう

何度か同じような事を書くのですが、マスタリングで劇的に何かが変わるという事はありません。
逆に解釈すると 劇的な音質の変化をしなくてはいけない状態のミックスダウンはうまくいっていない という事です。

マスタリングを自分でやってみて リミッターで市販CDと同じくらいまで音量を上げようとすると 歪む、割れる、音が濁る・・やたらと抜けがわるい・・。

こういう状態ではマスタリングで何をしても根本的な解決になりません。

マスタリングで加工する前に ミックスダウンを見直す、さかのぼって音源の音色を選ぶ、アレンジを見直す、そっちのほうが100倍仕上がりが良くなる・・と私は考えます。

何事も失敗と改良の繰り返しですね。

おわり

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Copyright

マスタリングとは何か?

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マスタリングとは何か? という事を簡単に説明すると

「プレス工場で作成するスタンパーを作る為のプリマスター作業」

という事になります。

さらに追加するとすれば
「Red Book基準でDDP形式でのマスター納品」
となるでしょう。

Red BookDDPについてここでは深く触れませんので、もっと詳しく知りたい方は調べてみてください。

要はマスタリングとは工業製品(CD)を作る為の規格に準じたデータ作り工程なのです。

巷で言われている音圧上げなどは本来の目的ではないのです。

・じゃあ マスタリングでは音をどう扱っているのか?

これは私的な感想ですが、マスタリングは"音"を扱うのであって"音楽"を扱うのでは無いと思っています。

極端な考え方ですが、つまりCDプレス用のマスターデータを作るのに音楽の質や音楽的要素は入れなくて良いと思うのです。

音楽的要素はミックスダウンの時に完結しておくべきだ と考えております。

よく格安マスタリングを請け負っているHPの文章などで

「マスタリングでここまで音が変わります! すごいでしょ?」

というような主張があり、その後に元とマスタリング後を聞き比べる音楽サンプルがあったりします。

大抵はマキシマイザーでパツパツに潰し、バキバキに加工した音が"凄いマスタリング"として公開されています。

はたしてプロのマスタリングとは音を原型をとどめない位派手に加工し、無茶なマキシマイズで音圧を上げ、ステレオエンハンサーで無理やりにステレオ感を広げる事を良しとしているのでしょうか?

答えは否です。

マスタリングとは製品レベルに合わせた音質、音圧調整を行う事はもちろんなのですが、最後の磨き作業というイメージが正しいのではないでしょうか?

表面のゴミやほこりを取り除き、研磨剤で丁寧に鏡面になるように磨く、そんな繊細で高度な技術だと思うのです。

上から派手なラメ入りの塗料を吹き付けるような作業はマスタリングでは無いと思うのです。

・では何故こういったマスタリング業者が沢山いるのでしょうか?

一流のマスタリングエンジニア(スタジオ)は都内で十数人だと思います。

その一流のエンジニアに依頼する音源は当然プロのエンジニアがミックスダウンしている場合が殆どでしょう。

かたやネットで1曲2000円でマスタリングを請けている業者に依頼される音源はアマチュアが自分でミックスしたものが殆どで、市販CD並みに音圧や音質などを調整するには大幅な加工をする事になります。

それが売りとなって間違ったマスタリングのイメージが浸透していく・・という事だと思います。

プロのエンジニアが行うマスタリング前とマスタリング後の音源を聞く機会はほとんど無いと思うので、参考になる記事があったのでここで紹介します。

サンレコ企画、バーニーグランドマン田中さんマスタリング音源ダウンロード

日本のトップエンジニアの一人であるバーニーグランドマンの田中さんがアマチュアの楽曲20曲をマスタリングする という企画です。

WAVEファイルでダウンロードする事ができるので聞き比べてみてください。

色々な事がわかると思います。

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マスタリングの考え方

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■マスタリングの考え方■
ここを見ている方は
「マスタリングエンジニアになりたい」
ではなく
「マスタリングも自分でやりたいorしないといけない」
だと思います。
ここのレクチャーはミックスをした人がするマスタリングについてが主な内容となります。

●マスタリングの捉え方・・とその前に
自分でミックスダウンをしている場合、市販のCDと比べて音圧が・・とか音量が・・とかは
あまり気にする段階ではありません。
市販のCDはマスタリング処理が施されているからです。
しかし、多くの場合マスタリングは専門のスタジオでマスタリングエンジニアが担当しています。
ミックスまでを担当するエンジニアはミックスダウン終了までに全力を尽くすのです。
この全力とは最高の仕上がりという意味です。
決して音圧を上げる事ではありません。

ミックスが完成してスタジオで大きな音で聞くマスターが最高に良いと思えるミックスをしてください。

●マスタリングの捉え方 本編

マスタリングとは料理で言う盛り付けのようなものです。
どんなに美味しい料理をつくってもお皿に乗せてお客様に出す時に
見た目や雰囲気が良くなくてはいけません。
最高に美味しい料理をつくるシェフがいるレストランでも
サービスや接客が三流なら流行りはしないでしょう。
料理だけを考えるなら味が最高なだけで良いのです。
商品にする為にマスタリングをするのです。

という事は
誰が聞いても同じような評価を得られるか?
有線放送などで流れたときに埋もれないか?
その他のCDと比べてレンジや音量が見劣りしないか?
など外的要因が大きな割合を占めます。

そもそもレコーディングエンジニアをしていない場合(厳密には自分以外の作品全て)
CDを聴いただけではマスタリングの仕上がり加減は判断できません。
マスタリングが良いのか?ミックスが良いのか?録りが良いのか?
全く判断出来ないでしょう。
しかし録りもミックスも良くないと良い仕上がりになるのは困難ですので
良いマスタリングは良いミックスがあっての事だという事は忘れないで下さい。

●結局は・・・
自分でミックス~マスタリングをする場合
マスタリングで上手くいかない場合はミックスに手を加える方が早くて効果的です。
幸いにも今はPCの中にミックスの全てが入っています。
歪みっぽくなる、低音が足りない。歌が埋もれる。
マスタリング中に少しでも違和感がでたら迷わずミックスの手直しをするべきです。
本当に良いミックスならL2をはさむだけでマスタリング完成 なんて事も夢ではありません。

はじめに【マスタリングについて】

非常に長く書きますがお付き合い下さい。

レコーディングエンジニアから見たマスタリングについて書かせていただきます。

多くのサイトやブログで書かれているマスタリングの目的とは
「音圧を上げる事」のようですが
音圧を上げる事にどんな意味があるのでしょうか?

私は、はっきり言って90年代から始まった音圧戦争は既に終わっているんじゃないかと思います。
終わっているというのは意味が薄くなってきているんじゃないかという意味です。

あの超有名マスタリングエンジニアのボブ・ラディックもあるインタビューでこう言っています。
「近年のCDへの収録音量感を稼ぐためのマスタリングは良くない方向だと思う。
何度も聞いていると耳が疲れるし音楽の表情が失われる事にもなりかねない。もしビートルズの音源が今のような音だったらここまで有名なバンドとして歴史に名が残っていなかったかもしれない」

このボブ・ラディックの言葉をどう捉えるでしょうか?
クライアントは音圧を上げる事を望んでいるが、音楽はそれを望んでいないと言う風に感じているという意味に私は捉えています。

事実、音圧上げのマスタリングではミックスダウン後のマスター音源とガラリと印象が変わる事が多く、音質を変えずに音を大きくする事は非常に難しいという事がわかります。

ミキシングを担当したエンジニアはミックスダウン終了の状態でスピーカーのボリュームを上げた音が最高に良い音だと思っているはずです(私もそう思っています)
そう思っていないミキシングは全力のミキシングではない事になるからです。

インディーズCDでマスタリングエンジニアに発注を出した場合、もれなく残念な結果になる事が多いのは何故でしょう?
googleにマスタリングスタジオと打つと159,000件の結果が表示されますが、そのほとんどがアマチュア半分の「マスタリングをやれます」状態かもしれません。

事実一流マスタリングエンジニアの方々は職人技とも言える技をもっていますし、
長年の勘が左右される世界である事はいうまでもありません。
そんな職人がろくな経験もせずに大量に世に現れるはずがありません。

マスタリングで音圧を上げる事は「音の大きいだけのその他のCD」と並べるためだけの行為であると思っています。
当たり前と言えば当たり前ですが、その行為自体にどれだけの作品の意味があるのか?
もう一度考えてみる必要があるかもしれません。

長文御精読ありがとうございました。

さて当サイトでは主にマスタリングが上手くいかないのはミックスに原因がある可能性が高いという事を書きます。
もちろんマスタリング自体にも触れますが音圧を上げるだけの方法は他のサイトを参照してください。


  • サウンドハウス