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プロフェッショナルの仕事とは 【偉大な宮大工の話】

2016/12 当ブログを移転いたしました。
新しいブログはhttp://www.recording69.com/になります。

引き続きよろしくお願いいたします。



プロフェッショナルの仕事とは

プロフェッショナルという言葉がある。その名の通りその道のプロの事だ。
今回は音楽から脱線し違う職業の方の話をしたいと思う。

西岡常一という人物をご存知だろうか。
西岡常一とは薬師寺再建工事の棟梁を務めた宮大工だ。(詳しくはこちら)

少し西岡常一について生い立ちを説明する。

祖父も父も宮大工という家庭に生まれた。同級生が野球などをして遊ぶ中幼い頃から父や祖父の仕事を手伝っていたらしい。
建築を学ぶ為に工業高校に進学する予定だった常一を祖父は農業高校へ進学させた。
この時常一は「なんで大工になるのに農業高校に行くのか意味がわからない」という気持ちだったそうだ。

この祖父の意味不明とも思える選択には深い理由があった。
「宮大工は木を扱う、木は土から生まれる、土を知らずして木を知ることは出来ない」
という考えのもと常一に農業を勉強させたようだ。

後に薬師寺再建工事などの大プロジェクトに棟梁として参加する事になる基礎はこういった祖父のプロ精神が基になっていることは言うまでも無い事実だろう。

かなり省略するが 西岡常一の取り上げておきたいエピソードがある。

西岡家に伝わる口伝(代々教えられている家訓のようなもの)に次のような言葉がある

・木は生育の方位のままに使へ

これは特に大柱などは使う木が東の斜面の生えていたものなら同じように東の柱に使う という事だ。
その木が育ってきた環境に近い使い方をする事でねじれや割れを防ぐという事らしい。
またこうも言っている。
木は切ったら殺してはダメだ、切った後も生かす使い方をする

実に興味深い。

もうひとつだけ西岡常一の言葉を紹介する。
「薬師寺再建という仕事は建物が完成したら終りじゃない、完成して1000年建物が残っていて初めて成功なんだ」
完成した建物が1000年先もそこにあって成功だ と語った言葉に宮大工としての先人達への尊敬の気持ちなどを感じた。

西岡常一について興味がある方は書籍やDVDが発売されているのでそちらで詳しく知って欲しい。

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これを音楽業界にあてはめて考えてみよう。

近年の音楽業界でプロという言葉は気軽に使える言葉になってしまった感がある。
何度も書くがミュージシャンやエンジニアなどは国家資格など無い自称プロの世界だ。

私はエンジニアなのでレコーディングエンジニアのプロとは何だ?と考えた時に 今回紹介した西岡常一の事を思い出した。

今となってはエンジニアやミキサーの他にアレンジャーがミックスを仕事として請け負っていたり、ミックス師なんいていうものも存在する時代だ。
生ドラムやピアノはもちろん、楽器の音をマイクで録音した事がないエンジニアだって沢山いる。

それが悪いとは言わないがプロと名乗る以上は楽器というものがどういう構造で、どういう歴史があって、どんなメーカーがどんな音をして、マイクで録音するにはどんな方法があるか・・

そういった結果どのように処理して楽曲に使っていくか という考えまで出来て初めて楽器の音を扱えるのではないか とも思えた。

もし仮に西岡常一が生きていて お会いする事があり 「君は音響のプロか?」 と聞かれたら私は 「プロです」 とはっきり答えられないかもしれない。

西岡常一という人物の仕事を知って、まだまだ勉強する事は沢山ある  と痛感した。

自分のやっている仕事はプロと呼べるか?

もう一度 音楽業界全員が考える時期に来ているのではないだろうか・・。

おわり

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